• 見え方が違うと、「できること」「できないこと」も異なる。その方にあったサポートが重要。
  • 日常生活を送りやすくする補装具や便利グッズも有効活用。

ガイド(誘導)をするとき

まずは声をかける

黙って触れたり、突然手を握ったりすると驚いてしまいます。まずは「お手伝いしましょうか」と声をかけましょう。顔見知りであっても見分けがつかないことがあるので、名前を名乗るとよいでしょう。

基本姿勢をとる

どこに行きたいかの要望があって、同行できる場合は、そのことを伝えます。
自分の手の甲と相手の甲をくっつけ、視覚障がいの方は、ガイドのひじのやや上をつかみます。これが基本姿勢です。
ガイドは2人で歩くための幅を意識しながら、障害物などにぶつからないように誘導します。

基本姿勢のイラスト

階段の昇り降り

階段の手前でいったん立ち止まり、「上り」か「下り」の階段があることを伝えましょう。ガイドが一歩先に出てゆっくり進みます。階段が終わるときには再び立ち止まり、階段が終わったことを伝えましょう。

狭いところの通過

狭いところや混雑したところを通過するときには、視覚障がいの方にあらかじめ伝えます。ガイドはつかまれている腕を後ろに回し、視覚障がいの方に手首を握ってもらうようにします。通過後は再び基本姿勢に戻りましょう。

狭いところを通過しているイメージ

ガイドを終えるときは

イスに座れる場合には、座面と背もたれを触らせることで座ることができます。机があるときは、その位置関係も伝えておきましょう。イスに座れない場合には、壁や柱などに触らせた状態でガイドを終えます。

転倒を防ぐために

視覚の情報が少ないことは転倒の危険性に直結しています。視力が低下している方は思いがけない転倒1)、また転倒による股関節骨折2)が多いようです。ゆっくり丁寧なガイドをする、障害物があるときは必ず声をかける、室内では家具を整頓し動線を確保しておくなど、日頃から転倒を防ぐ工夫を心がけましょう。

  • Coleman AL et al.: Ophthalmology 111: 857-862, 2004.
  • Felson DT et al.: J Am Geriatr Soc 37: 495-500, 1989.