高血糖によって、網膜(もうまく)の中心にある「黄斑(おうはん)」にむくみ(浮腫)が生じて、視力低下が引き起こされます。

糖尿病黄斑浮腫とは

眼の奥には「網膜」という薄い膜があり、ここで視覚の情報を認識しています()。
網膜の中心部にある「黄斑」は、ものの形や色、大きさなどを見分ける特に重要な部分です()。

正常な網膜では、血管から血液や血液の成分が漏れ出ることはありません。しかし、糖尿病によって高血糖の状態が続くと血管がもろくなったり、つまったりして、血液が運ばれなくなったり、血管の外に血液成分が漏れ出てしまうようになります。その結果、黄斑にむくみが生じたのが「糖尿病黄斑浮腫」です。
黄斑は、ものを見るときに重要な働きをしているため、視野のかすみやゆがみが生じたり、病気が進行すると視力の低下や失明に至ることもあります。

眼の断面図イラスト

監修 杏林大学医学部眼科学 教授 井上 真 先生(2022年5月作成)