眼の奥にある網膜の静脈(血管)が詰まって血液の流れが悪くなる病気です。眼底出血や網膜のむくみが生じ、それらが黄斑におよぶと(黄斑浮腫)、視力低下を引き起こします。

網膜静脈閉塞症になりやすい人

網膜静脈閉塞症は、中高年に多く、男女差はほとんどないとされています。
また、高血圧や動脈硬化、生活習慣病などのある方に多いとされています。

日本での網膜静脈閉塞症

日本で行った調査では、40歳以上の人のうち2.1%の割合で網膜静脈閉塞症がみられました。網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)は2.0%、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)は0.2%でした。

表 日本人の網膜静脈閉塞症の有病率

網膜静脈閉塞症 2.1% (38/1775)
網膜静脈分枝閉塞症
(BRVO)
2.0% (35/1775)
網膜中心静脈閉塞症
(CRVO)
0.2% (3/1775)

1998年に福岡県久山町の住民を対象に検査を実施し、網膜静脈閉塞症の有病率を調査。
網膜静脈閉塞症は眼底写真で判定。

Yasuda M, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci 51(6): 3205-3209, 2010.より作図

監修 大阪医科薬科大学医学部 眼科学教室 教授
喜田 照代 先生(2024年3月作成)