加齢に伴い、視力にかかわる大切な部分である「黄斑」に障害が生じて視力低下を引き起こす病気です。

加齢黄斑変性になりやすい要因

これまでの調査で、発症のリスクとして次のような因子が知られています。

加齢黄斑変性になりやすい要因の例について
喫煙と過食・肥満のイラスト

低下した視力を元に戻すことができなくなるおそれがあるため、ふだんからリスクを避けることが大切です。

小沢洋子: 医学のあゆみ 266(12): 9-22, 2018.

加齢黄斑変性と視覚障がい

加齢黄斑変性で視覚を損なうことは決してまれなことではありません。日本における中途視覚障がいの原因疾患の第4位であったという報告もあります。

表 視覚障害者認定の原因疾患内訳

第1位 緑内障(りょくないしょう)
第2位 網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)
第3位 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)
第4位 黄斑変性(おうはんへんせい)
【調査概要】2015年度に身体障害者福祉法の認定基準に基づき、新たに視覚障害者認定を受けた18歳以上を対象とし、年齢、性別、原因疾患および視覚障害のグレードを調査した。
Morizane Y et al.: Jpn J Ophthalmol 63: 26-33, 2019. より作表

2012年の調査における加齢黄斑変性の有病率は1.6%で、年々増加してきています。また、男性の有病率は女性の4倍以上あることが知られています。
視力を維持していくためにも、早期診断・早期治療が重要です。

  • 橋本左和子ほか: あたらしい眼科 36: 135-139, 2019.

監修 杏林大学医学部眼科学 教授 岡田 アナベル あやめ 先生(2022年5月作成)