眼の奥にある網膜の静脈(血管)が詰まって血液の流れが悪くなる病気です。眼底出血や網膜のむくみが生じ、それらが黄斑におよぶと(黄斑浮腫)、視力低下を引き起こします。

網膜静脈閉塞症とそれに伴う黄斑浮腫

眼の奥には「網膜」という薄い膜があり、ここで視覚の情報を認識しています()。特に網膜の中心部にある「黄斑」は、ものの形や色、大きさなどを見分ける重要な部分です()。

黄斑は、ものを見るときに重要な働きをしているため、黄斑が障害されると、ぼやけて見えたり、ゆがんで見える、といった症状がみられます。病気が進行すると視力の低下や失明に至ることもあります。
正常な網膜では、血管から血液や血液の成分が漏れ出ることはありません。しかし、加齢、高血圧、動脈硬化などによって、血管がもろくなったり、詰まったりして、血液が運ばれなくなったり、血管の外に血液成分が漏れ出てしまうようになります。その結果、黄斑にむくみが生じた状態が「黄斑浮腫」です。

網膜静脈閉塞症とそれに伴う黄斑浮腫

網膜静脈閉塞症の分類

静脈の詰まった場所によって、大きく2種類に分けられます。

網膜静脈閉塞症の分類

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)

網膜中心静脈閉塞症(CRVO)

網膜中心静脈閉塞症(CRVO)

監修 大阪医科薬科大学医学部 眼科学教室 教授
喜田 照代 先生(2024年3月作成)