• 見え方が違うと、「できること」「できないこと」も異なる。その方にあったサポートが重要。
  • 日常生活を送りやすくする補装具や便利グッズも有効活用。

視覚障がいの方と接するとき

ゆっくりわかりやすく話しかける

視覚障がいがある方にとって、耳からの情報はとても重要です。身振り手振りや表情によるコミュニケーションではわからないことがあるので、ハッキリと聞き取りやすく話すことを意識しましょう。

説明はまず大まかに、だんだん細かく

話の全体像をつかみやすくすると、説明が伝わりやすくなります。まずは概要を話し、必要に応じて詳細を話していきましょう。

指示語を避け、イメージしやすい表現を

「これ」「それ」のような指示語や指差しを交えてしまいがちですが、ものが見えにくいと伝わりません。「前/後ろ」「向かって右/左」「〇〇メートル先」のように具体的に説明しましょう。「2時の方向」や「T字形」のような表現もよいでしょう。

手を添えて説明する

家具やスイッチなど、手の届く範囲にあるものを伝えるときは、ご本人に触ってもらいながら説明するとわかりやすくなります。

接するときの注意❶
積極的に声をかけましょう

移動するときやものを動かすときには、必ず声をかけましょう。「そばにいると思って話しかけてしまった」「ものがないと思って歩いたらぶつかった」など、ご本人の想定と異なる状況を避けることができます。
また、高齢の視覚障がいの方では孤独を感じやすく、うつ病になりやすいとの報告もあります1)。積極的に声をかけ、心の負担を少しでも減らせるようにしましょう。

  • Burmedi D et al.: Visual Impairment Research 4: 47-71, 2002
接するときの注意❷
情報はしぼりすぎず、手伝いすぎないように

見えにくいから、視覚的な情報は伝えなくてもかまわないと思われるかもしれません。しかし、視覚的イメージはとても貴重な情報です。どこに何がある、色や形はどうであるなど、きちんと伝えましょう。
一方で、あまりに細かすぎる説明はかえってわかりにくくなったり、不快に感じたりすることもあります。視覚障がいの方の心情や意向に気を配りましょう。

監修 名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学 教授 安川 力 先生(2022年5月作成)